ドキュメントや資料を作成する上で、そもそもどのフォントを使うべきなのか気になり、フォントについての本を今回読んでみました。また、あわせて、資料作成にはどのフォントを使用すべきか調べてみました。
結論はフォントは一長一短あるので、使用する目的に応じて使い分けるべき。
むしろ、文章を伝える目的や狙いについて考える事が一番大事です。読み手に伝えたい雰囲気・読み手の性別・年齢層等を深堀する事で、あとは自然とそれに応じてフォントを選択していくだけの事みたいです。
書評
25種類の代表的な欧文フォントを漫画チックにして説明してくれてます。フォントについて詳しくない人が主人公になっており、フォント自体が擬人化して、自分の特徴を語るスタイルで統一されておりわかりやすいです。デザイナー人気が非常に高く万能フォントである「Helvetica:ヘルベチカ」を切り口に、見出し向け/広告向け/文章向け/手書き風等々、フォント毎に特徴が記されているのでストレスフリーでサクサク読めますね。
そのため、フォントの勉強というより、フォントを題材とした漫画を読んでいる感覚です。Panasonicのロゴのフォント、GODIVA(ゴディバ)のフォント、駅の看板のフォントの違いやその性質がわかり、日常生活を送る上でフォントにも意識してみる機会が増え、楽しみも増やせる本になります。
資料作成にむけて
背景(タイポグラフィー技術)
活字を適切に配置することで文字の体裁を整えるタイポグラフィーの概念があります。フォントとは、そのタイポグラフィーを体現する物の一つであり、文字伝達においてある目的にむけて統一的な思想でデザインされた文字形状の集まりになります。
フォントの種別(4種類)
フォントは、「トメ・ハネ」が意識されている【長文向け】、意識されてなく逆に線が太目の【見出し向け】の2つです。「トメ・ハネ」が意識されていると可読性が高くなり長文を読みやすくなる。また、太字の文字は一瞬で見せる際に印象に残りやすいため、広告向けとしてよい。
※「トメ・ハネ」はアルファベットで特に顕著に差がでてますね。
多くのフォントが存在するが、大別すると4つです。
●日本語で【長文向け】の「明朝体」
●日本語で【見出し向け】の「ゴジック体」
●欧米向けで【長文向け】の「セリフ体」
●欧米向けで【見出し向け】の「サンセリフ体」
(※セリフは、とげや飾りの意味であり、サンは、~~がない否定の意味)
万能のフォントは存在しない(使い分ける)
フォントは大別された4種類だけでなく、そこから更に「トメ・ハネ」の強弱や優美性を出すために曲線的な要素の有無やその強弱など、多種多様な設計がされているため、常にこのフォントを使うべきだという物は存在しません。
最適なフォント選択にむけて(資料の目的を洗い出す)
では、どのフォントを使用すべきかを選択するためには、
-顧客はだれか
-どんな印象を与えたいのか
-読み方や見方(一瞬だけかそうでないかなど)
など、その目的を徹底的に洗い出す事が大事です。
無難なフォント選択(メイリオか)
使用ユーザが多いであろうWindowsOSの無料の中では、メイリオなようです。ゴシック系であり特に使用頻度が多いパワポ等で瞬間的に目に入りやすい構造となっているのが理由のようです。
●●UIとは(ユーザイタンフェース用の文字表示間隔を狭めているフォント)
メイリオとMeirioUIの違いがわかりやすいですが、UIの狭いボタンの中で文字を表現するために間隔を狭くしているようです。
まとめ
各フォントには、それぞれ果たしたい目的があったために制定されました。どのフォントであっても、基本的にアルファベットや日本語を表示する事はできますが、設計された性能を存分に発揮するには、状況を選びます。
そのため、この資料やドキュメントはどうしたいのか目的をきっちり定める事こそが、結局はその目的に応じたフォントを選ぶ事につながります。
やはり、何のためにを突き詰める事こそがフォント含めたクオリティを挙げる土台になるようです。
Tips(ローマン体:右手の人が手書きする際に太くなる部分有)
ローマン体と呼ばれるフォント体系があり、Aの場合は、右下を描く線は太くなるフォントがあります。これは手書きする際に、細くなる所と太くなる所をフォントとしても示しているようで、「Times New Roman」/「Calson」といったフォントで見られます。神は細部にやどるではないですが、こんな所まで考えられた上で、いろいろ設計されている思うと、フォント1つとっても非常に奥が深いですね・・・
正直深追いする気はないですが、もしも今後デザイナーと相談する事があれば、フォントについても何か思いがあると思う気がします。なので、そういうところも聞いてみたいですし、逆に何か意図をもってフォント選んでほしいとも注文してみたいと思います。