実際にハードを伴う新商品を開発するためには、製造工程まで面倒をみないと物になりません。ちょうど雑誌を見ていたら、半導体業界における製造工程の分担が記載されていたので、一度頭の整理のため記しておきたいと思います。
製造にいたるまでの工程
ざっくりと3工程にわけられる。
①研究/開発:新機能や新商品の研究・開発を行う。
②設計:実際に作成する商品の仕様設計を行う。
③製造:製造を行う。
企業の関わる体制の呼称
そうではない企業を「水平分担型」と呼ぶ。
水平分担型の中でも、
①と②だけを行う企業を「ファブレス企業」
①と②と簡単な③を行う企業を「ファブライト企業」
③だけを行う企業を「ファウンドリー企業」
各体制毎のメリットとデメリット
●垂直統合型
(メリット)品質担保がしやすく機密管理やノウハウも貯めやすい
(デメリット)全行程の品質や技術力を維持・高めるには資金が多く必要
●ファブレス企業
(メリット)必要資金が少なく、コア分野にリソース集約を図りやすい
(デメリット)品質管理が製造に左右される、機密情報が漏れやすい
●ファライト企業
(メリット)製造ノウハウから品質管理の口出しがしやすい・比較的製造を意識した
設計ができる
(デメリット)ファブレスよりも資金が必要となる
●ファウンドリー企業
(メリット)大規模な製造や生産からコストを下げる事ができ、競争力を得られる
(デメリット)自社での研究・開発ノウハウが得られない(にくい)
※ただし、ファンウドリー企業も顧客獲得のために、設計ノウハウは得ているとあります。お客さんは物をつくりたいのであって、仕様設計には興味がないのでそこのノウハウは獲得するようにしていると記載があります。
最近の傾向
必要資金が少ないファブレス企業が多くなってきている。製造に必要となる生産工場を作るとなると投資がかさみ撤退もしにくくなるため、急激な技術進歩に伴う現代社会ではリスクが大きいのがセオリー。
だからこそ、逆に勝ち残ったファウンドリー企業(TSMC)は、かなり儲けいている。
まとめ
一部の大企業を除けば、規模の大きい投資は困難ですし、しかも一回だけでなく継続的に投資を続ける必要があるとなれば工場を持つ方向の戦略をとるのは困難ですよね。
ファブレス企業が増えていくのも当然かと思います。
ただ、上記記事にあるように、製造側の会社が「設計ノウハウ」をもっていてお客さんを獲得できているとあるのであれば、逆に設計側の会社が「製造ノウハウ」を持ち、効率的な設計(案)くらいまでつくり、そこから製造発注すればより安く作れるのかもしれませんね。
よく、各部門の業務知識の「のりしろ」を持つとうまくいくと先輩方から指導されましたし、仮にファブレス企業側の考えになった部門にいたとしても、他部門の知識もある程度は興味を持って把握できるようにしたいと思います。