資料作成や画面作成にあたり、情報量が多い物をシンプルに示そうとしている路線図作成の考え方は参考になりそうなので、継続して記録しておきます。
事実をそのまま掲載するのではなく、目的や求められている物に応じて情報取捨選択しているのが大事ですね。
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かつて実在の地図に地下鉄の路線を上乗せする形で記載されていたが、それをシンプル化したのが大流行した。
地下鉄の従業員であったベック氏は、地下鉄はほとんど地下を走るので、ある駅から別の駅への行き方だけを知りたいと思っている利用者にとって、駅の物理的な位置は意味がない、ということに着目しました。
電気回路図のアプローチとも似ているように、駅とそれらを結ぶ直線、そしてテムズ川から構成される路線図を考案しました。
この路線図は、すべての路線が水平・垂直または傾き45度の直線で描かれており、通常駅(正方形)と乗り換え駅(ひし形)は区別して描かれました。
複雑なものを可能な限りシンプル化
最終的に、地下鉄の路線図では、実際の地図のような曲線はできるだけ排除して、どこで乗ってどこで乗り換え、どこで降りればいいのかだけに注目できるようなデザインになっています。
そのため、曲線がたくさんあったとしても、それをユーザーが使い易いようにあえてシンプルに水平・垂直・斜め45度の直線だけを使ってみるというのは一つの決断です。
大項目と小項目でヒエラルキーの区別
もし路線図の通常駅と乗り換え駅の表示が同じであったら、ユーザーは路線がクロスしている場所をわざわざ探さなければなりません。
しかし、乗り換え駅はそうであるとはっきり分かるようにデザインされているので、乗り換え駅を基準に、ユーザーはどのように乗り継ぎをすればいいのかを考えることができます。大項目と小項目の区別をデザインではっきりと示すことを「ビジュアルヒエラルキー」を作る、と言います。
ビジュアルヒエラルキーがなければ、すべての情報が一律に見えてしまうので、必要最小限の情報を残したとしても、どれが重要かがわからなくなってしまいます。
とりわけ路線図は、駅の数が多いので、大項目と小項目の違いをしっかりとつけてリズムをつけるようになっています。