30代からの再勉強日記(ビジネス系/IT系の一般論の理屈を考えてみる)

徐々に、新たなタスクを起こし任せる側になりました。将来検討のためにも、一般論やセオリーを勉強・考察し外部へ共有する事で学びを深めたいと思います。皆さんにも役立つ所があれば幸いです。※最近ミッション変更となり、更新頻度落が落ちます。

【IT】ネットワーク系機器における温度と故障(寿命) 10℃で上がると2倍壊れる、逆もしかり

サーバ室に入った事は何回かありますが、空調が効いていて人間には少し寒く感じるくらいだと思います。

電子機器は熱に弱いから冷却が必要というのはなんとなくわかりますが、とはいえ温度が多少高くなってもすぐに壊れる物でもなく、どれくらい冷却の必要性が有るのか調べてみました。

ざっくりまとめると、電子部品として必須で使われる電解コンデンサが温度変化によって寿命が変動する。(アレニウスの法則)

高熱になると電解コンデンサが故障するため該当物品全体が機能不全になり、ハード故障となる、そんな感じみたいですね。

電解コンデンサ以外のコンデンサもありますが、高コストのようですね。

逆に、温度管理をしっかりすれば製品サポート期間を延ばすというメーカもあるようで、熱管理・熱設計はハードウェア故障抑制にあたっては重要なポイントだという事がわかりますね。

 

SR-0076  データセンターの構築・運用課題に関する調査報告書 より

 

3.6 サーバ寿命に関係する排熱(冷却)
一般に電子機器、電気機器は温度と信頼性、寿命との間には 10℃下がると寿命が 2 倍となる法則があります。これはアレニウスプロットと呼ばれるもので、化学変化の速度からくるものです。

これに直接影響するのが電解コンデンサ寿命です。電源周りには必須の電子部品です。半導体での寿命は必ずとも化学変化と同一とは考えにくいですが、電子機器としては電解コンデンサに機器寿命を左右されることになります。

2000 年ごろまでの電解コンデンサの温度特性[12]は、上限 55℃5 年、5℃アップ
すると寿命が半分になるとされました。よって、サーバ吸気温度は、機器内部温度傾斜 10℃〜15℃、センサー誤差、安全率を入れて 35℃に設定されています(25℃では無い)。2000 年ごろから普及が始まったカーナビケーション機器動作温度は 100℃を越える環境であり、電解コンデンサ温度特性は市場要求から改善され、現在では温度特性上限 55℃製品は存在せず 30℃も上昇した 85℃から 115℃の温度特性上限製品が販売されています。
未だにアレニウスプロットを根拠にデータセンター環境温度を上げることに反対する技術者がいるが、電解コンデンサの性能向上を知らない場合が多いです。 

よって、各社から販売されているサーバの吸気温度も 40℃〜45℃対応品が販売され、データセンター環境温度を 22℃付近から 28℃〜30℃に上げて省エネ化することを大手のデータセンターなどでは行われています。
スパコンに利用されているデータセンターの環境温度は 32℃に設定され運用し省エネ化されています。 

https://www.ttc.or.jp/application/files/5016/3036/8878/SR-0076v1.pdf

 

LAN機器、サーバの耐用年数の考え方について─後編

ルータやハブ、サーバの内部には電解コンデンサが必ず複数個含まれます。
ひとつでも電解コンデンサが故障すれば電子機器全体の故障に波及します。
電解コンデンサの寿命特性から電子機器全体の耐用年数を類推します。

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アレニウスの法則がグラフから読み取れます。すなわち温度が10℃下がれば寿命が2倍になります。

横軸の時間から5年の寿命を得るためには、コンデンサ品種によりますが、
85℃1,000時間保証の普及版では無理で85℃2,000時間以上の品質が求められます。例として105℃1,000時間保証の製品を使用するとコンデンサ周囲温度を常に50℃
以下に管理する必要があります。昨今の高性能CPUは高性能の代償として
発熱するので、周囲温度をこのように管理するのは困難があります。したがっ
て、5年を経過した電子機器は確率的にいつ故障してもおかしくない状況であ
るといえます。

https://www.satemaga.co.jp/wp-content/uploads/2112.pdf

 

 

xtech.nikkei.com

 

製造不良や経年劣化を除くと、故障原因として多いのは「温度」「雷」「水」「衝撃」だという。その詳細な説明を聞いて「なるほど」と思うことばかりだったが、それ以上に興味深かったのは、故障を防ぐために機器ベンダーなどが凝らした工夫の数々だ。その中から、特に印象に残った3つを紹介したい。

(1)温度管理の徹底で保証を延長

 アラクサラネットワークスはユニークなサポートサービスを提供している。それは、機器の動作環境条件の上限温度より10度下げて運用すれば、メーカー保証を6年から最長10年に延長するというもの。同社では「ロングライフソリューション」というサービス名で提供している。

 機器の故障には設置環境の「温度」が大いに影響する。高温になると機器内部の電解コンデンサーの寿命が縮み、早く壊れやすくなるためだ。裏を返せば、故障を防ぐには周囲の温度を下げればよい。一般に電解コンデンサーの寿命は、温度が10度下がると2倍に伸びるといわれる。これに照らすと、同社のサポートサービスは理にかなっている。